歯ブラシを見せただけで逃げていく、口元を触られるのを嫌がって唸る――そんな子は少なくありません。歯磨き粉やジェルにも、舐めるだけのタイプからブラッシング用まで、いくつかの使い方があります。
この記事では、成分や使い方のタイプが異なる犬用歯磨き粉・歯磨きジェルを8つ、比較表と合わせて紹介します。
無添加でとにかく手軽にケアしたいなら「デンタアニマル」、歯磨きが苦手な子には舐めるだけの「ブレスワン」や「ペティオ デンタルジェル」、コスパ重視でまず試したいなら「犬猫生活 デンタルふりかけ」が選びやすいタイプです。
犬用と人間用の歯磨き粉は何が違う?
人間用の歯磨き粉には、フッ素やキシリトールが含まれていることがあります。キシリトールは犬が口にすると中毒を起こすおそれがある成分で、少量でも注意が必要です。
犬は歯磨きのあとに口をゆすいで吐き出すことができません。飲み込んでも大丈夫なように作られた犬用の歯磨き粉・ジェルを選ぶのが基本です。この記事で紹介するのはすべて犬用の商品です。
犬用歯磨き粉・歯磨きジェルの選び方|無添加・成分・タイプで選ぶ
デンタルケア用品を選ぶときは、次の3つを見ておくと選びやすくなります。
- 添加物の有無
着色料や保存料、合成香料は毎日口に入るものだからこそ気にする飼い主さんが多く、無添加をうたう商品が主流になっています。ただし「無添加」の基準は商品によってバラつきがあるので、パッケージ裏の成分表示まで目を通しておくと安心です。 - ハチミツ・マヌカハニー系の成分
マヌカハニーを使った商品は抗菌性の高さで人気ですが、1歳未満の子犬にはハチミツ自体を避けるよう案内されている場合があります。子犬に使う場合は、対象年齢の表記を確認してから選ぶと安心です。 - 愛犬が受け入れられるタイプかどうか
歯ブラシに抵抗がない子ならペースト+歯ブラシの組み合わせで歯垢をしっかり落とせます。一方、口元を触られるのが苦手な子にいきなり歯ブラシを使うと、デンタルケアそのものを嫌いになってしまうこともあります。そういう子は、まず舐めるだけのジェルやふりかけタイプから始めて、慣れてきたら指やガーゼでのケアにステップアップしていくのが現実的です。
舐めるだけのケアと並行して噛むケアも取り入れたい場合は、犬の無添加歯磨きガムおすすめ8選もあわせてご覧ください。
犬用歯磨き粉・歯磨きジェルおすすめ8選
ここでは、成分や使い方のタイプが異なる8商品を紹介します。まずは比較表で全体像をつかんでから、気になるものの詳細を見てみてください。
犬用歯磨き粉・歯磨きジェル比較表
8商品の特徴を一覧にしました。
| 商品名 | タイプ | 主な成分 | こんな子に |
|---|---|---|---|
| デンタアニマル | 舐めるジェル | マヌカハニー、卵黄粉末、ナタ豆 | とにかく時短でケアしたい |
| PETKISS(ライオンペット) | ジェル・歯ブラシ用 | リーフ由来の香味成分 | 大手ブランドで安心したい |
| 歯にマヌカ | 舐めるジェル | MGOマヌカハニー50%以上 | 口臭・歯周病が気になる成犬 |
| ブレスワン | 舐めるジェル | クリスパタス乳酸菌 | 歯ブラシを一切受け付けない |
| ドクターデンタルワン | ペースト、舐める・歯ブラシ両用 | リベチン含有卵黄粉末 | 歯垢の付着を吸着で減らしたい |
| 犬猫生活 デンタルふりかけ | ふりかけ | マスティック樹脂、卵黄粉末 | 口元を触らせてくれない |
| マンマ 歯磨きジェル | 舐めるジェル | なた豆、乳酸菌、オリゴ糖 | 子犬から段階的に慣らしたい |
| ペティオ デンタルジェル | 舐めるジェル | 緑茶エキス、エリスリトール | まずは安く試したい |
1. デンタアニマル 歯磨きジェル
忙しい朝や、ケアの時間をなるべく短くしたい人に向いているのがデンタアニマルです。獣医師と薬剤師が監修しており、歯の汚れを吸着するといわれる「リベチン含有卵黄粉末」と、口臭対策の「ナタ豆」を組み合わせています。マヌカハニーが入っているので味に抵抗感が出にくく、指先に少量つけて歯や歯茎に塗るだけでケアが完了します。公式には最短10秒とうたわれていて、毎日続けるハードルが低いのが特徴です。中毒性のある成分は使われていないので、誤って多めに舐めてしまってもそこまで神経質にならなくて済みます。
2. PETKISS(ライオンペット) 歯みがきジェル リーフの香り
人間用のオーラルケア製品でおなじみのライオンが、獣医師と共同開発したのがPETKISSシリーズです。こちらは舐めさせるタイプではなく、歯ブラシやガーゼにジェルをつけて使う、いわば王道のブラッシング用ジェルです。リーフの香りがついているので、ケア後の口臭が気になりにくいのもうれしいポイントです。ドラッグストアやペット用品店の店頭でも見かけることが多く、切らしたときにすぐ買い足せるのは大手ブランドならではの安心感です。
3. 歯にマヌカ
名前のとおり、ニュージーランド産のMGOマヌカハニーを原材料の半分以上使っている歯磨きジェルです。マヌカハニーは抗菌性の強さで知られていて、口臭や歯周病、口内炎が気になる子に選ばれています。甘みがあるぶん舐めさせやすい反面、ハチミツが心配な子犬には同シリーズの「歯にマヌカPK」というハチミツ不使用タイプが用意されているので、年齢に応じて使い分けるのがおすすめです。成犬でシニア期に差しかかり、口臭が気になってきた子との相性がよいタイプです。
4. ブレスワン
歯ブラシを見た瞬間に逃げる、口を触られるだけで唸る――そういう歯磨き拒否犬のために作られたのがブレスワンです。クリスパタス乳酸菌が配合されていて、口の中だけでなく腸内環境へのアプローチもうたわれています。獣医師の93%が「使い続けたい」と回答したというアンケート結果もあり、動物病院の現場でも一定の評価を得ている商品です。指サックやデンタルシートが付属するセットもあるので、歯ブラシに移行する前段階のアイテムとして取り入れやすいのも魅力です。
5. ドクターデンタルワン
獣医師とドッグトレーナーという珍しい組み合わせで共同開発された歯磨きペーストです。ポイントは、歯垢を吸着するとされるリベチン含有卵黄粉末です。おやつ感覚でそのまま舐めさせてもよく、慣れてきたら歯ブラシにつけてブラッシングにも使えるので、ケアの段階に合わせて使い方を変えられます。30gで約1か月分が目安とされているので、毎日のケアでどれくらいのペースで消費するかを計算しやすいのも助かる点です。
6. 犬猫生活 デンタルふりかけ
「歯磨き粉」というカテゴリからは少し外れますが、口元をまったく触らせてくれない子には、このふりかけタイプが現実的な選択肢になります。獣医師との共同開発で、マスティック樹脂やリベチン含有卵黄粉末といった成分が配合されています。いつものごはんにパラパラとかけるだけなので、ケアという意識をさせずに続けられるのが最大の強みです。歯磨きそのものを拒否する子に無理強いしてストレスを与えるより、まずはこちらで様子を見るのも一つの方法です。
7. マンマ 歯磨きジェル
「飲み込んでも安心」という前提で作られている、なた豆・乳酸菌・オリゴ糖配合の歯磨きジェルです。着色料や保存料、香料など10種類の添加物が使われておらず、なるべく口に入るものにこだわりたい飼い主さん向けの一本です。使い方はステップ式で、最初は舐めさせて味に慣れさせ、次に指やガーゼで歯や歯茎に塗り、最終的にガーゼや歯ブラシでのブラッシングに移行していく流れが想定されています。子犬のうちからデンタルケアの習慣づけをしたい家庭とも相性がよいタイプです。
8. ペティオ デンタルジェル
大手ペット用品メーカー・ペティオの定番アイテムで、緑茶エキスやエリスリトールなどが配合されています。舐めるだけで使えるうえ、垂れにくく口の中にとどまりやすい粘度に調整されているので、塗った先から床にこぼれる心配が少ないのも実用面でうれしいところです。価格も比較的手頃なので、「まずはデンタルケアグッズを試してみたい」という段階で最初の一本として選びやすい商品です。
使うときの注意点
- 少量から試す
初めて使う商品は、まず少量を舐めさせるか短時間だけ塗ってみて、口の周りの赤みやかゆみなど異変がないか数日様子を見ると安心です。 - 頻度は少しずつ増やす
毎日のケアが理想ですが、いきなり毎日行うと嫌がられやすいので、週に数回から始めて少しずつ回数を増やしていくと続けやすくなります。 - 保管場所に注意する
風味がついている商品が多く、容器ごとかじられてしまうことがあります。ケア用品は使うとき以外、犬が届かない場所にしまっておきましょう。
よくある質問
-
歯磨き粉・歯磨きジェルは毎日使う必要がありますか?
-
理想は毎日ですが、まずは無理のない頻度から始めて習慣化することが大切です。舐めるタイプやふりかけタイプなら、ケアという意識をさせずに毎日の食事に取り入れやすくなります。
-
マヌカハニー入りの商品は子犬にも使えますか?
-
1歳未満の子犬にはハチミツ自体を避けるよう案内されている商品もあります。子犬に使う場合は、ハチミツ不使用タイプか、対象年齢の表記を確認すると安心です。
-
歯ブラシを嫌がる犬にはどのタイプがおすすめですか?
-
舐めるだけのジェルや、ごはんにかけるだけのふりかけタイプがおすすめです。慣れてきたら指やガーゼでのケアに少しずつステップアップしていく方法だと、挫折しにくくなります。
-
犬に歯磨き粉は必要ですか?使わないとどうなりますか?
-
歯磨き粉やジェルは必須ではありませんが、あると歯垢が落ちやすくなり、口臭のケアにも役立ちます。水やぬるま湯で濡らした歯ブラシだけでも歯垢は落とせるので、歯磨き粉なしで歯ブラシに慣らすところから始める方法もあります。ケアを何もしないと歯垢が歯石に変わり、歯周病につながることがあるため、少しずつでも続けると安心です。
-
歯磨きジェルはどのくらいで効果が出ますか?
-
歯垢は毎日たまるので、歯磨きジェルは1回で変化が出るものではなく、毎日続けて歯垢のつきにくい状態を保つためのケア用品です。口臭の変化は数日から数週間で感じられることがあります。すでに固まった歯石は歯磨きでは落とせないため、気になる場合は動物病院で相談すると安心です。
まとめ
同じ「歯磨き粉・歯磨きジェル」というくくりでも、舐めるだけ、歯ブラシ併用、ふりかけと使い方はかなり違います。
歯ブラシが苦手な子には、まずは舐めるタイプやふりかけタイプから始めて、慣れてきたら少しずつブラッシングに近づけていく方法だと、挫折しにくくなります。愛犬の性格と、飼い主さん自身が無理なく続けられるかどうかを軸に、比較表を参考にしながら選んでみましょう。
おやつ選びの基本については犬のおやつ選び方完全ガイドもあわせてご覧ください。


